真新しい白生地に無地染めや模様染等を行うことが「お誂え染」と言いますが染め替えは「家庭着」「ふだん着」「無地」「小紋柄」のカジュアル的なものが中心で、基本的に元の色や柄を脱色した裁ち切りのある再生白生地を使用することをいいます。

「きものの染め替えなんてできるのですか?」とお思いの方がたくさんおられるようです。
まだまだ使用できる素材を、タンスの中に眠らせておくことはもったいないことです。
「柄が古くなった」、「年齢に合わなくなった」きものは、染め替えすることによって「素材が有効に生かされる」こととなります。
「しみ」や「よごれ」が目立つきものが、新しい柄に生まれかわるのは、もちろんのことですが、また「異った用途」のきものに変更できることも、染め替えの大きな利点です。
「訪問着を着尺に」そして「着尺をコートに」など、当面必要なものが、経済的に変更できます。
古いきもので、必要なものができます。たとえば、帯に仕立替・袋物を作る・洋装にする・タペストリー・テーブルクロスを作るなどです。



検  品 更正品の生地の[しみ]、[黄変]、[金加工下の強弱]などを調べるとともに[抜き方の仕分け]をおこなう。
刺繍ぬき
金加工抜き
上絵おとし
刺繍、金加工、紋付などの付加加工されたものは、色抜きする前に、それらの加工を処理する。
生地吊り 新しく染める生地表が内側に重なるよう、2つ折りにして、それを50cmくらいの長さで、反物をアコーデオンのように折りたたんでいく。折りたたんだ生地は、さおに通して、吊りづけできるように糸とじをする。
下抜き 生地吊りできた生地は、100℃の湯にハイドロ液を入れた釜にスレが出ないように吊りづけして、下抜きする。釜に吊りづけしたら、抜けむらが起きないようにたえず生地の「操り返し」をする。ここで防水も除去します。
水洗い 脱色残留物、ハイドロ残留物を水洗いで除去する。
本抜き
石鹸漂白剤
抜き
下抜きが終われば、つぎに特殊石鹸、漂白剤その他多数の薬品の入った釜の中で、数十分沸騰させる。この段階では、特に赤い色がピンク色にまで抜け、また胡粉や墨などが落ちやすい状態になっている。
(右上へ)

(紅梅抜き) 紅梅抜きが必要なものは、本抜きのあと、さらに石鹸や特殊薬品を加えて、長時間、釜でたきこむ。
下水洗い 水洗いは下抜き、本抜きが終わる都度、行う。これは、それぞれの釜の薬品純度を保つためと、生地の脱色残留物を除き、脱色効果を高めるためです。
(胡粉抜き) 昔はウグイスなどの小鳥のふんを使っていましたが、最近では、たんぱく分解酵素液の入った40℃くらいの湯に4〜10時間ほど、浸して、胡粉や墨を落とす。
仕上げ抜き 仕上げ抜きは、脱色残留物の少ない純度の高いハイドロ液(熱湯)のなかで、しずかに長時間浸しておく。色はさらに白く抜けていく。
仕上げ水洗い 色抜き、汚れ、胡粉などを落とした生地は中和液を、混ぜて完全な仕上げの水洗いにはいる。
乾燥 仕上げ水洗いが終わったら、オレ、スレの出ないように軽く脱水機にかけて、自然乾燥させる。
検品 最後に抜きムラがないか、加工抜きなどの特殊抜きが充分にできているかを、注意深く検品する。



  無地染の加工法には、「引染め」と「浸染め」(煮染め)の二通りあります。
  「引染め」はおもに柄染の地染に用いられ、無地染は、ほとんど「浸染」の染法によって、加工されます。

(紋章糊置) 紋付のあるものは、紋章糊置をしてから、無地染の工程にはいる。
検 反 無地染する生地にオレ、スレ、キズ、ヨゴレなどがないかを充分に検反する。
色別分類 検反がすめば、生地を系統別に仕分けし、濃度別に配列する。
地入れ 生地の色別分類がすめば、生地の付着物、不純物を取り除き、染色効果を高めるために、生地に地入れをおこなう。地入れの方法は普通、湯通しをする。
染料配合 目的の色を出すための染料配合をおこなう。染料配合がすめば、湯と染色助剤のはいった釜のなかに投入する。
(右上へ)

染 色
(浸染)
染料投入のすんだ釜のなかに、染める生地を浸して、約40分〜60分ほど染色する。目的の色に合うまで、ムラ、オレ、スレに注意し、温度をコントロールしながら、染料を少しずつ追加していく。
水洗い 目的の色に合えば、生地を釜よりあげて、染色残留物を取り除くために水洗いする。
乾 燥 水洗いがすめば、オレ、スレの出ないようにマングルロールで、巻き取りながら、脱水し、乾燥室で、自然に近い条件で乾燥させる。
湯のし 乾燥がすめば、湯のしをし元の生地幅、生地丈に整える。
検 品 最後に注意深く検反し、全工程のそれぞれの段階にミスがなかったかを検査する。



 黒紋付の加工の方法には、「引染め」と「浸染」の2通りの技法(工程)があります。
 「引染め」には「三度黒」と「ブラック」があり、振袖、留袖、四つ身、一つ身など模様のある紋付染はすべて引染めの技法を活用します。
 「浸染」には、「紅下染」、「藍下染」、「直接染」があります。「紅下染」、「藍下染」は黒染めに入る前に、下染めします。

地のし 紋の位置のズレを防止するために、下湯のしして、生地幅、生地丈を整える。
検 反 生地に繊維(オレ、スレなど)が無いか、どうか染めの工程にはいる前に、検反する。
墨打ち 生地の上に紋の位置を決めて、青花で印をつける。
紋章糊置 (ゴム糊で紋を置く場合)紋形の下刷りをしてゴム糊を入れた筒紙(渋紙で造った先金のある筒紙)使って紋形どおりに糊を置く。
(メンコ糊を置く場合)メンコ(防水紙に米糊をのばしたのり板)をそれぞれの紋形に打ち抜いたものを、生地の表裏に貼り付ける。
下染め
(紅下染め
 藍下染め)
黒染めの染めあがりに重厚さや色つやをよく出すため、黒染めに入る前に下染めする。下染めの方法には、紅下染(赤味のある黒)と藍下染(青味のある黒)がある。
黒染め 黒染する生地の種類や目方に応じて、数種類を配合した直接染料を順次添加しながら、生地を浸して染色する。

水洗い 色止めや発色を良くする顕色処理をして、水洗いし、残留染料を洗い流す。メンコ糊はこの工程で落とす。
乾 燥 水洗いを充分にしたものは、できる限り自然に近いかたちで、乾燥する。
整 理 染色工程で生じた、生地幅、生地丈の変化などを、元の正しい生地(地のしのときの形)に整理する。この段階で目的、用途によって防水その他の加工もおこなう。
紋洗い ゴム糊の紋は爪か金属のヘラを使って揮発性の溶剤でていねいに紋の付近をいためたり、オレ、スレを出さないように落とす。そのあと軽くつまみ洗いする。
紋章上絵 真白に上がった紋場に、筆、コンパスなどの用具を使って、墨または染料で、紋章の上絵を描く。
検 品 最後に注意深く検反し、全工程のそれぞれの段階にミスがなかったかを検査する。







京の職人さん][きもの総合病院][ひといろさん][ガード加工][きもの展示館][きもの用語Q&A][TOP]
Copyright(c) Kimono/Craft TSUCHIMOTO 2001-2017 All Rights Reserved